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庄内通校 |
白藤 和成 |
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庄内通校
芝浜 |
2011/12/31 |
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僕らの120日間戦争(5) |
入院準備を済ませた僕は
点滴に繋がれベッドに寝かされた妻に
「これから長野に行く。」
これだけを端的に伝えました。
時刻は既に7時を過ぎていました。
「遅いから車気をつけてね。よろしく…」
まだ動揺を隠せない妻に
僕の運転を気遣う余裕が少しあったことに
心なしか勇気づけられました。
……………
夜の中央高速って、こんなに暗かったっけ?
前を行くテールランプだけが
僕に見える色彩のある光でした。
前方の車を追い越し
赤い光を見失うたびに
急激に襲ってくる深い孤独感。
それに耐えきれなくて
次のテールランプを探しに行く。
このまま真っ暗闇のトンネルを走るのだろうか……?
助手席の息子は少しウトウトしかかっている。
普段なら、助手席で寝られても何とも思わないのに
この時ばかりは僕の孤独感を増幅させ
そんな気持ちから逃げたくて
意味もなく子供に話しかけていました。
………寝かしてやれよなぁ
まったく、酷い自分勝手なお父さんだな(−_−;)
またひとつテールランプを見つけた僕は
その光を見失わないように
自動追尾ミサイルのように追いかけ続けました。
「なんでこんなことになるんだ?」
こんなドラマのようなベタなセリフが
ふと口をついて出てきた瞬間から
どうしようもない悔しさだけが
僕の精神を支配し始めたのです。
「僕は家族を守れるんだろうか?」
目の前の赤い光は
その答えを教えてはくれませんでした。
……続く
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2011/12/15 00:35:49 |
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